UPSで大切な機器は守れる? 保守に適した色々な種類のUPS (後編)
▼前回記事はこちら!
UPSで大切な機器は守れる? 保守に適した色々な種類のUPS(前編)
医用UPSの特長
ニシムのUPSは「トライポートUPS」だけではありません。高い技術力を活かして、専門分野に特化したUPSも提供しています!
専門分野に特化したUPSとは、「医用UPS」のこと。
国産のUPSで初めて、医療機器向けUL安全規格(UL60601-1)を取得した、医療機器専用のUPSです。
人命に直接かかわる医療機器や様々な医療現場でも安心してご利用頂けます。
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「医用UPS」サイト
あれっ、一般的にUPSって、パソコンなどの情報機器を守るために存在するのだと思っていました。病院でUPSを使うこともあるのですか!
確かに、医療機器ってとても繊細で、人命に関わるとなると万が一のことがあってはならないですよね…。
でも一般的なUPSと何か違うのでしょうか?特化している内容を、詳しく教えてください!
この「医用UPS」。一般的なUPSとの違いは「取得しているUL規格」と「漏れ電流」にあります。
簡単にUL規格と漏れ電流について調べてみましょう。
UL規格とは、アメリカ保険業者安全試験所が認定する安全規格で、電気機器や産業機器類などを対象としています。
医療機器での利用を目的としたUPSの規格は、「UL1778」と「UL60601-1」があるそうです。
「UL1778」は無停電電源装置(UPS)を対象として火災防止や感電防止などに重点が置かれた規格ですが、「UL60601-1」は医療機器を対象としており、電気絶縁性や漏れ電流など非常に厳しい制限が設けられているものです。
漏れ電流とは、本来流れないはずの場所・経路で漏れ出る電流のこと。絶縁体の内部や表面を通じて流出してしまうそうです。
この「取得しているUL規格」と「漏れ電流」が、一般的なUPSとどう違うのかというと…。
一般的なUPSは、UL規格「UL1778」のみの取得(UL規格を取得していないUPSもあるので注意です!)で、漏れ電流も多いため医療機器に利用する場合は制限があります。
対して医用UPSは、UL規格「UL1778」と「UL60601-1」両方を取得し、漏れ電流も非常に少ないため、医療機器に対して安心・安全に利用できます。
一般的なUPSと比べて、とっても信頼性が高いということかしら。信頼性が高いからこそ、病院でも安心して利用できるんですね。
この「医用UPS」、用途に応じて容量も選べます。
『REMiO(レミオ)』は「1kVA」と「1.5kVA」の2つの容量があり、145(W)×390(D)×216(H)mmというコンパクト設計。台の上に置いて、医療機器に接続することができますね。
『MACHAON(マカオン)』は「3kVA」「5kVA」「8kVA」の3つの容量があり、手術室やICU・CCUに設置するのに最適な容量です。手術中に停電なんて、絶対にあってはならないことですものね…。
容量に応じて『REMiO(レミオ)』と『MACHAON(マカオン)』から選べる、医療機器専用のUPS「医用UPS」。
世の中には色んなUPSがあるんだなぁ。
まとめ
前回・今回の記事では、改めて「何故UPSが必要な事態が発生するのか?」という視点からUPSの必要性を探り、合わせてニシムの様々なUPSをご紹介しました。
▼前回記事はこちら!
UPSで大切な機器は守れる? 保守に適した色々な種類のUPS(前編)
ありとあらゆる事態を想定したトライポート給電方式を採用した、保守体制も手厚い「トライポートUPS」と、高い信頼性から病院の医療機器にも利用できる「医用UPS」。
両者とも確かに高機能ではありますが、日ごろの点検・メンテナンスがとても重要です。
定期的な目視点検、清掃、部品交換等をしっかりとお願い致します!(佐賀県吉野ヶ里にある、ニシムの工場より)
これからも、電源関係で疑問に思ったことを調査していきたいと思います。
最後までお読みくださり、どうも有難うございました!
【参考文献】
松﨑薫,無停電電源システム実務読本,オーム社,2007
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