医用UPSはJIS規格「病院電気設備の安全基準」に対応しています
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こんにちは、ニシムの「むぅこ」です。
突然ですが、皆さまは「JIS規格(日本産業規格)」についてご存知でしょうか。
ちょこちょこ耳にする機会があるので、概要は知っているという方は多いかと思います。
JIS規格(日本産業規格)は、産業標準化法に基づいて制定された、日本の国家標準の1つです。
今回はJIS規格の中の、「病院電気設備の安全基準」に関する内容について、少し見ていきたいと思います。
「病院電気設備の安全基準」…言葉にすると、少し難しい感じがしますね。
適切な医療を行う上で必要な、医用接地、非接地配線、非常電源、医用室の電源回路等のあり方に関する要求事項が規定されている基準のことです。
病院という命に関わるところだからこそ、安全にも厳しい基準が定められているんですね。
何度か改定が行われている「病院電気設備の安全基準」。最新では2023年に改定されています。
※当記事は2018年の改定に合わせて執筆しておりますが、要所で2023年の改定に関する注釈を入れております。
医用UPSはJIS規格の改定に対応しています
ニシムの医用無停電電源装置(医用UPS)は、「病院電気設備の安全基準」に対応しています。
2018年の改定にも対応していますので、ご紹介です。
※今回の記事は少し技術的な内容になります。お読みになる前に、下記記事の医用UPSの特長をご覧頂けると、よりご理解いただけるかもしれません!
▼参考記事はこちら!
UPSで大切な機器は守れる? 保守に適した色々な種類のUPS (後編)
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JIS T 1022:2018(病院電気設備の安全基準)でUPSが関わる主な変更点は以下の通りです。
※これまでJIS Tで、非常電源のグレードとして「一般非常電源」「特別非常電源」「無停電非常電源」「商用電源」がありましたが、最新2023年版ではその中の「特別非常電源」が削除されます。
●瞬時特別非常用電源が「無停電非常電源」に変更になりました。
●切替時間が0.5秒以内から無停電に変更になりました。
●用途に手術灯の他、医用電気機器(ME機器)が追加になりました。
●コンセントの色が緑に統一されました。
非常電源のグレード
出典:JIST1022:2018(病院電気設備の安全基準)で 定められている事項より
また、UPSを設けなければならないとされるAカテゴリ(手術室・ICU・CCU・NICU・心臓カテーテル室等)に「PICU(小児集中治療室)」が追加になっています。
医用接地方式、非接地配線方式及び非常電源の適用
○:設けなければならない △:必要に応じて設ける
出典:JIST1022:2018(病院電気設備の安全基準)で 定められている事項より
この他にも、連続的な電源供給が必要とされるME機器には、人工心肺装置・IABP・人工呼吸器・無影灯・保育器麻酔器・人工透析治療装置がありますが、「ベッドサイドモニタ」が追加になりました。
さらに、次の記述が追加されています。
無停電電源装置は、通常、医療の用途には適さないため、医療用でないものは、製品カタログ、取扱い説明書などに、医療の用途に使用しないように使用者に求める注意書きがあることが一般的である。医療用として適用可能な無停電電源装置は、特別な配慮がなされており、製造物責任法(PL法)及び使用者側責任(UL)の観点からも、医療用として認められた製品を選別する必要がある。
この内容は、医療用でないUPSが出回っている現状もあり、問題を抱えている施設にとって不安要因ともなるため、今後UPSを選択・決定する際は、UPSメーカーに「このUPSは医療用として使用に問題ない」ことを確認してから使用してもらうことを主眼に、記述されています。
ただし、使用者側に医療用のUPSとして補償できることを、十分納得のいくように説明することも含まれています。
では、医療用のUPSとはどのようなものなのでしょうか…?
JIS T 1022:2018には医療用として求められる基本的な機能を記述しています。
●保守用のバイパス回路がある。
●バイパス回路は、同期切替え可能なスイッチによるものと電動式スイッチによるものとをそれぞれ設ける。
●インバータ異常及び(または)過負荷のときには負荷電力の連続性を維持し、自動的にバイパス回路に切り替わる。
●送配電系統で発生する瞬時電圧低下を補償できる。
●出力電圧の波形は正弦波である。
●運転状態及び異常発生時の表示機能及び外部警報接点がある。
ニシムの医用UPSは医療用として求められる基本的な機能を満足しており、『UL1778:無停電電源装置(UPS)を対象としたUL安全規格』と『UL60601-1:ME機器(患者に直接接触した医療行為)を対象としたUL安全規格』を取得し、ME機器と同様に接地漏れ電流0.5mA以下をクリアしていることで、医療用として適用可能なUPSとして認められています。
まとめ
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JIS規格「病院電気設備の安全基準」は、医療機器・医療設備への電源の供給信頼性の確保と、患者と操作者の電気的安全確保のために、一般の建物より厳しい要求事項を盛り込んだものです。
医療の安全性と信頼性を確保する観点から、非常に大切な規格となっています。
また、改定前のJIS T 1022:2006に対して、医用UPSは下記の箇所に対応していました。
●商用電源が停止したとき、生命維持装置(0.5秒以内に電力供給が必要なもの)や手術灯へ電力を供給する回路には、瞬時特別非常電源(交流無停電電源装置によるものを含む)を設けること。
●蓄電池設備は、充電を行うことなく10分間継続して負荷に電力を供給できること。
●交流無停電電源装置には、医療の用途に供するものと情報処理機器の用途に供するものがあるが、瞬時特別非常電源には、必ず医療用として適切なものを使用すること。
改定後のJIS T 1022:2018では、次の箇所に対応をしています。
●商用電源が停止したとき、無停電(交流電力の連続性が確実な電源)で電力供給を行わなければならない次の医用電気機器などの回路には、無停電非常電源を設ける。
①医用電気機器のうち、無停電(交流電力の連続性が確実な電源)で電力供給が必要なもの
②手術灯●無停電電源装置は、通常、医療の用途には適さないため、医療用でないものは、製品カタログ、取扱説明書などに、医療の用途に使用しないように使用者に求める注意書きがあることが一般的である。
医療用として適用可能な無停電電源装置は、特別な配慮がなされており、製造物責任法(PL法)及び使用者側責任(UL)の観点からも、医療用として認められた製品を選別する必要がある。
改定内容をざっくりまとめてみると、病院で無停電電源装置(UPS)を使用する際は、『医療用として認められた製品』を使いましょう…といったところでしょうか?
ニシムの医用UPSは、電気絶縁性や漏れ電流に非常に厳しい制限が設けられているME機器を対象とした「UL60601-1」の規格を取得しているため、安心して病院でもご使用いただけます。
価格等、製品情報については、何でもお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みくださり、有難うございました。