LEDの非常用照明が使いやすくなった?電池内蔵型から電源別置型への変更点
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こんにちは、ニシムの「むぅこ」です!
……ん?「直流電源装置」タグがついていますが、電源の話ではないのですか?
そして突然「非常用照明」の話と言われても、何が何だか分かりません!
「非常用照明」とは
「非常用照明」とは、「電池によって一定時間は照度が確保できる照明器具」のことです。
一体いつ活躍するものなの?というと、主に停電時。
火災などで停電が起きた時に、真っ暗の中では避難ができません。商用電源(コンセントからの電源)が失われている緊急時には、電池を搭載している「非常用照明」の明かりによって避難が可能になります。
ほぉ…。「非常用照明」は、避難するための通路などに対して、一定の照度を確保するための防災設備なのですね。
これは、建築基準法によって設置基準が定められているとのことです。
照明の種類は、電池内蔵型と電源別置型の2種類があります。照明器具の予備電源(非常用電源)の取り付け場所により、大別されます。
電池内蔵型の「非常用照明」には、名前の通り内部に電池が収納されており、電源供給が断たれた際であっても、自動的に内部電池から給電されるように作られています。
対して、電源別置型の「非常用照明」は、内部に電池は収納されていません。蓄電池設備を別に用意して、照明器具までつないでいます。
…電源別置型は、別に蓄電池設備がいるのですね!
うーん、でも、電源が別置になるというと、配線などが大変なイメージがあります…。
「非常用照明」に電池が内蔵されていた方が簡単な気がするのですが、電源別置型のメリットってあるのでしょうか?
先輩に聞いてみたところ、電源別置型の「非常用照明」のメリットは、電池交換時の手間が軽減できることだそうです。
照明本体に電池が内蔵されていないため、交換時は蓄電池のみに対応すれば良いというメリットが挙げられます。大規模の建築物であれば、非常用照明の数は数千台にも及ぶそう!数千台の照明の電池(寿命は約5年)を、1つ1つ交換するのは多大な労力がかかってしまいますね…。
しかも、蓄電池設備には期待寿命が約13年~15年(※)の蓄電池を使用することもできるそうで、交換する頻度もかなり少なくて済むとのことでした。
※蓄電池温度25℃、0.1C放電(Cは10時間率容量)、年数回程度の放電回数で使用した場合。使用用途により期待寿命は異なる場合があります。
「非常用照明」には電池内蔵型と電源別置型があり、建築物・用途に合わせて設置する義務がある、ということが分かりました。
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白熱灯・蛍光灯・LEDの違い
もう少し、照明のお話をします。
非常用照明の明かりの種類は、大きく3つあります。
それは、「白熱灯」「蛍光灯」「LED」です。(ミニハロゲンランプを使用する非常用照明も存在します。)
ざっくりとした説明は次の通りです。
白熱灯
暖色の明かりの照明です。
「フィラメント電球」とも言って、トーマス・エジソンが初めて商用化した照明とのこと。
電気代が高く、寿命も短い(1,000~3,000時間)ことが特徴です。
ちなみに、明るさを表す光度をワット(W)で表すのは白熱灯だけで、蛍光灯やLEDはルーメン(lm)で表すそうです。(学校ではワットで学習した記憶があったので、少し驚きました。)
蛍光灯
蛍光灯は、蛍光物質が管内に塗布されたガラス管と、電極で構成されています。
発行時の管内温度は約1万度に達するそうですが、気圧が非常に低くなっている為、ガラス管が溶けることはありません。ただ、誤って触らないように気を付けなければいけませんね。
電気代は白熱灯の4分の1程の値段で、寿命は6,000~16,000時間と長くなっています。
LED
その名の通り、発光ダイオード(LED)を使用した照明です。 電気代は白熱灯の8分の1程の値段で非常に安く、寿命は40,000時間と非常に長くなっています。 また、消費電力は白熱灯の6分の1程度。エコの観点から見ても、とても良い照明です。
最近はご家庭での照明もLEDを使用される方が多いように思います。電気代が安くて寿命も長いとなると、確かにいいこと尽くめです。
ただ、非常用照明の明かりとしてLEDが認められたのはごくごく最近の話だそうで…。
これには、建設省告示(非常用の照明装置の構造を定める件)が関係しているそうです。
LEDの非常用照明が使いやすくなった
(建設省告示改正)
もともとの建設省告示(~2014年10月)には、「白熱灯」と「蛍光灯」のみが非常用光源として認められていました。
しかし、国土交通大臣認定制度を利用することにより、電池内蔵型のみ「LED」を使用することが出来るようになり、電池内蔵型の非常用照明での「LED」化が進んでいきました。
国土交通大臣認定制度とは、『火災時において、停電した場合に自動的に点灯し、かつ、避難するまでの間に、当該建築物の室内の温度が上昇した場合にあっても床面において1ルクス以上の照度を確保することができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたもの(建築基準法施行令 第126条の5 第二号より)』です。
電源別置型には、システム全体(灯具・蓄電池・配線など)の認定が必要になるため、国土交通大臣認定制度を利用しての「LED」使用ができずにいました。
それが、2017年の6月に建設省告示(非常用の照明装置の構造を定める件)が改正され、「LED」も非常用光源として認められることに。
今まで電池内蔵型にしか使えなかった「LED」が、電源別置型にも使えるようになったということですね。
ところで先程、「LED」の消費電力は「白熱灯」と比較し6分の1程度であるとお話ししました。
ということは、「LED」になると蓄電池容量も大幅に少なくなるということですか!?
以前よりも導入コストが下がり、電源別置型の非常用照明を取り入れやすくなりそうです。
まとめ
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今回のコラムでは、「非常用照明」についてお伝えしました。
照明の種類には、電池内蔵型と電源別置型の2種類があります。
2017年の建設省告示改正により、電池内蔵型だけではなく電源別置型にも「LED」照明が使用できるようになったため、消費者の選択肢が非常に広がりました。
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最後までお読みくださり、有難うございました。
【参考文献】
中島廣一 ,実務に役立つ非常電源設備の知識,オーム社,2005